契約通貨 II

トルコ通貨価値保護に関する第32号決議に関する第2008-32/34号通達が、期待通り改正され、下記詳細が、通達第2018-32/51として公布されました。発効日は、2018年10月6日です。

*トルコ共和国に在住する方と所在する法人に対し、相互間で締結する下記に関しては、外貨又は外貨ベースで取り決めてはなりません。

1.フリーゾーンを含む国内にある不動産における、住居、屋内事業所を含む不動産の販売と賃貸に関する契約の価格とそれに関連するその他の債務

2.外国で履行する場合を除く、雇用契約とそれに関連するその他の債務

3.下記例外を除く、コンサルタント業、仲介業、運送業を含むサービス契約の価格とそれに関連するその他の債務

・トルコ共和国と国籍に関する繋がりを持たない個人/法人が当事者のサービス契約

・輸出、通貨貿易、輸出と見なされる販売と納品、外貨収益を得るサービスと活動の範囲で締結されるサービス契約

・外国で行う活動に関するサービス契約

・トルコ共和国で始まり外国で終了する、又は外国で始まりトルコ共和国で終了する電子通信に関するサービス契約

4.1999年12月16日付第4490号トルコ国際船舶登記法と第491号執行命令改正に関する法における船舶に関する建造、修理、メンテナンス以外の請負契約の価格とそれに関連するその他の債務

*トルコ共和国に在住する方と所在する法人に対し、相互間で締結する下記に関しては、外貨又は外貨ベースでの取り決めが可能です

1.重機を含む車両販売/賃貸契約以外の、動産の販売/賃貸契約の価格とそれに関連するその他の債務

2.情報技術の範囲で、外国で製造されたソフトウェアの販売契約、ハードウェアとソフトウェアのライセンス/サービス契約の価値とそれに関連するその他の債務

3.1999年12月16日付第4490号トルコ国際船舶登記法と第491号執行命令改正に関する法における船舶に関するファイナンスリース契約の価格とそれに関連するその他の債務

4.トルコ通貨価値保護に関する第32号決議第17条と第17A条の範囲で締結されるファイナンスリース契約

5.トルコ共和国と国籍に関する繋がりを持たない、トルコ共和国に在住する方と所在する法人が当事者の雇用契約の価格とそれに関連するその他の債務

6.公的機関とトルコ軍部強化基金の会社が当事者である、不動産の販売/賃貸契約を除く契約の価値とそれに関連するその他の債務

7.公的機関が当事者である外貨又は外貨ベースの入札、契約、国際条約の履行の範囲であることを条件に、請負人が第三者と締結する不動産の販売/賃貸契約と雇用契約以外の契約の価格とそれに関連するその他の債務

8.2002年3月28日付第4749号財政債務管理に関する法に従い、財務経済省が実施した事項に関し、銀行が当事者である契約の価格とそれに関連するその他の債務

9.トルコ通貨保護に関する第32号決議で規定されている事項を保留し、第6362号資本市場協会法と同法に基づいた規制の範囲における資本市場商品(外国資本市場商品、保管証(注)、外国投資ファンド保有株式を含む)を外貨で提示すること、発行、売買、それらの業務に関する債務

10.外国在住者/外国所在の法人が有する、トルコ国内にある支店、代理店、オフィス、駐在員事務所、直接又は間接的に50%以上の株を有する会社、フリーゾーン内活動を条件にフリーゾーンにある会社が当事者である、雇用/サービス契約の価格とそれに関連するその他の債務

11.トルコ滞在の旅行者、貨物、郵便の運送を行う商業航空会社、航空機、エンジン、これらの部品に関する技術サービスを提供する会社、及び民間航空業法規の範囲で空港での地上サービスを提供する旨営業証を取得する又は権限を与えられた公共団体もしくは私営企業と、それらが設立した会社と直接又は間接的に50%以上の株を有する株主が、トルコ在住者/トルコ所在の法人と締結する不動産販売、不動産賃貸、雇用契約以外の契約

*尚、契約の価格とそれに関連するその他の債務を外貨又は外貨ベースで取り決めることが禁止されている契約の範囲で発行される有価証券上の価格を、外貨又は外貨ベースで表示することは不可能です。

*国際市場において、価格を外貨で表示している貴金属と/又は商品に連動させ/又は間接的に外貨ベースとした契約は、トルコ通貨価値保護に関する第32号決議第4条(g)項(以下、4g項)に従い、外貨ベースの契約と見なされます。

*トルコ共和国に在住する方と所在する法人所有の、外国にある支店、代理店、オフィス、駐在員事務所、経営・管理する資金、50%以上の株を有する会社、直接又は間接的に所有する会社は、4g項に従い、《トルコ所在》と見なされます。

*例外に含まれているが、トルコ通貨価値保護に関する第32号決議仮第8条(以下、仮第8条)施行前に締結されている契約も、同条の対象外です。

*仮第8条施行前に締結されている重機を含む車両賃貸契約は、同条の対象外です。

*契約の価格とそれに関連するその他の債務を、外貨又は外貨ベースで取り決めることが不可能な契約上の価格を、仮第8条に従って、トルコ通貨にて、新たに取り決めなければなりません。但し、相互に新たに取り決める際合意に達しない場合は、締結されている契約上の外貨又は外貨ベースで取り決められている価格を、2018年1月2日付トルコ共和国中央銀行の実効為替売りレートで算出したトルコ通貨での対価を、2018年1月2日から新たに取り決めた日までの、トルコ統計協会が決定する月々の消費者物価指数(以下、TÜFE)の毎月の変化率を基に増加させ取り決めます。

仮第8条施行前に締結された住居/屋内事業所賃貸契約においては、外貨又は外貨ベースで取り決めていた額を、上記に従い2年間を対象にトルコ通貨で取り決めます。但し、トルコリラで取り決めた賃貸年の末日から1年有効であることを条件に、上記に従ってトルコリラで取り決めた賃貸料は、取り決める際に双方合意に達しない場合は、取り決める日から対象年の末まで、トルコ統計協会が決定する月々のTÜFEの毎月の変化率を基に値上げする方法で取り決めます。その後の賃貸年のトルコリラ建ての賃貸料は、取り決める際に双方合意に達しない場合は、前の賃貸年に有効であった賃貸料を、トルコ統計協会が決定するTÜFEの毎月の変化率を基に値上げして取り決めます。取り決めたトルコリラ建ての賃貸料は、上記の2年間の期間の末まで有効です。

*契約の価格とそれに関連するその他の債務を、外貨又は外貨ベースで取り決めることが不可能な契約において、支払済みの債権又は支払いが遅延している債権は、この限りではありません。

*例外の対象となっている当事者間の合意で、新たに締結される契約の通貨をトルコリラとすることや、既に外貨又は外貨ベースで締結されている契約上の価格を、仮第8条に従いトルコリラに変更することを要求する場合は、トルコリラで取り決めます。

(注) : 保管証:国内のカストディアンで保管される外国の動産を代理して発行され、動産の全権を保証し、持参人、額面価格を代理する 外国動産の通貨で表示される商品

弁護士 鳥越恵子