トルコ共和国の投資奨励策 2

質問 : 供給不足はどのように算出されますか。

投資奨励証記載の投資において生産される製品の国内総生産能力が、銅製品の輸入量より少なくなければなりません。国内生産能力と輸入量の情報は、会社側が作成する実現可能性報告書に記載されていなければなりません。この情報は、経済省によって確認されます。

質問 : 発電に関するエネルギー投資は戦略投資として評価されますか。

戦略投資としては評価されませんが、戦略投資が自己の需要を満たす為になされる天然ガス以外のエネルギー生産投資であるならば、戦略投資として承認されます。

質問 : 一定投資総額は、どの費目からなりますか。一定投資総額には最低額が設定されていますか。

一定投資総額は、土地-敷地、建物-建築、機器、その他の投資(補助機器、輸入・関税費、運送・保険・組立料、研究・設計費等)の費用です。
最低一定投資総額は、奨励内容と地区によって異なります。
・伝搬的奨励 : 第Ⅰ、第Ⅱ地区 – 百万TL、 第Ⅲ~第Ⅵ地区 – 50万TL
・大規模投資 : 投資項目によって差がありますが最低5千万TL
・戦略投資 : 5千万TL
・地域的奨励 : 業界や地区によって異なりますが、最低50万TL
観光・酪農業界等の一部の業界では、最低規模の条件も課されています。

質問 : 投資の範囲内で、車両は奨励されていますか。

医療・自治体サービスで使用される車両、一般道で使用されないモデルでエプロンや港で使用される車両、鉱業とレディミクスト・コンクリートへの投資で使用される車両を除き、陸路輸送機関と乗用車は、投資奨励証の範囲内で評価されません。

質問 : 関税免除の例外はありますか。

バス、牽引車(EU法に準じた環境に優しい自動車を除く)、家具、モーターボート、トラック(オフロード・トラックタイプの一般道で使用不可なダンプトラック以外)、トラックミキシング、バッチプラント、フォークリフト、コンクリートポンプは、関税免除が適用されません。
また、機器の経費の5%までのスペアパーツは、関税免除を適用せずに輸入し、一定投資総額に含めることが出来ます。

質問 : 優先投資の項目は何ですか。

下記の項目において、第Ⅰ~第Ⅴ地区で投資する場合は第Ⅴ地区での支援を、第Ⅵ地区で投資する場合は第Ⅵ地区での支援が得られます。
・海路での貨物・旅客輸送への投資
・民間が行う都市間鉄道貨物・旅客輸送と市内鉄道貨物輸送への投資
・テストセンター、風洞、この観点での投資(自動車・宇宙・防衛産業へのもの)
・文化・観光保護、開発地区又は温泉観光において地域的支援を得る観光宿泊施設への投資
・最低5万㎡の屋内博覧会会場への投資(宿泊施設・ショッピングモールを除く)
・防衛産業政務事務局の許可するプロジェクトを実施する為の防衛業界での投資
・坑内巻上への投資と/又は鉱物処理への投資(1985年6月4日付第3213号鉱物法で明記の第Ⅰクループの鉱物石屑への投資と
イスタンブール県内での鉱物採取と/又は鉱物処理への投資を除く)
・民間が行う幼稚園、保育所、入学前教育、小学校、中学校、高校教育への投資
・科学・産業・技術省、トルコ科学技術研究審議会、中小産業開発機構が支援する研究開発計画の結果発展した製品又は部品の製造
への投資
・エンジン付き陸上車両製造産業の最低3億TLの投資と、最低7500万TLのエンジンへの投資、最低2000万TLのエンジン構成部品、
駆動列、パワートレインアッセンブリ、自動車の電子化への投資
・エネルギー・天然資源省発行の有効な採鉱許可証と、許可の範囲内で第3213号鉱物法第2条に第Ⅳ-bグループとして記載されて
いる国産の石炭を原料とした発電への投資
・公報(2012/1号)添付資料4で明記の『奨励されない投資』を除き、エネルギー・天然資源省のプロジェクト承認によって、年間最低500石
油換算トン(toe)エネルギーを消費する現存製造産業施設で製品1個当たり最低20%の省エネを実現し、投資回収期間最高5年のエネル
ギー効率のある投資
・排熱再利用での発電への投資(天然ガスによる発電施設を除く)
・最低5千万TLの液化天然ガス(LNG)への投資と天然ガス地下貯蔵への投資
・カーボンファイバーの製造又はカーボンファイバーの製造と共に行うことを条件にカーボンファイバーから製造された複合材料製造へ
の投資
・OECDの技術度定義により、ハイテクノロジー産業に分類される製品の製造への投資
(US-97 Code : 2423, 30, 32, 33, 353)
・鉱物法によって作成された有効な鉱物探査許可証又は証書を得ている投資家の許可を得ている場所での鉱物探査への投資

上記の投資は、投資内容が投資地区の条件を満たしている場合に、第Ⅴ地区の支援を得られます。

質問 : 投資奨励証で記載されている期限内に投資が完了出来ない場合は、期限は延長されますか。

基本的には、投資奨励書上の期日内に投資が完了されなければなりませんが、完了しなかった場合は、最初の期間の半分の期間だけ延長されます。

質問 : 投資奨励証の範囲内での調達を予定していた機器ン関し、ファイナンシャルリージングを利用したいのですが、この場合、奨励策を利用出来ますか。

投資奨励証の範囲内の機器の全て又は一部をファイナンシャルリージングを利用して調達いただくことは可能です。但し、ファイナンシャルリージングを利用した投資では、ファイナンシャルリージングを利用した機器の総額は、各ファイナンシャルリージング会社につき最低20万TLえなければなりません。

質問 : 投資奨励証の範囲内で、外国から中古の全施設を輸入出来ますか。

業界での規制を考慮し、プロジェクトベースで検討され得ます。

質問 : 投資での出費額が、最低一定投資総額を下回ったらどうなるのでしょうか。

最低投資総額を含め、投資奨励証記載の条件を満たさなかった投資家の投資奨励証は無効とされ得ます。この場合に与えられた支援金は、第6183号公金の徴収手続きに関する法に従い、投資家は返済しなければなりません。

質問 : 投資奨励証入手後、投資を開始したと認められるにはどうすればいいのでしょうか。

投資開始日の後、土地-敷地、インフラ、建物-建築、機器、その他の投資経費として投資奨励証の初回作成時の一定投資総額を基準とし、一定投資総額の最低10%(一定投資総額が5000万TL以上の投資の場合は最低500万TL)支出しなければなりません。

弁護士 鳥越恵子