契約通貨 Ⅲ

32 トルコ 契約 賃貸 法律 弁護士 鳥越恵子

2018年11月16日発効で、トルコ通貨価値保護に関する第32号決議に関する通達(通達番号:2008-32/34)第8条が改正されました。

❀トルコ在住者間で締結される;

・国内の不動産に関する住居・屋内事業所を含む不動産販売契約、

・国内の不動産に関する住居・屋内事業所を含む不動産賃貸契約、

・雇用契約(例外:国外で履行されるものと船員が当事者であるもの)、

・コンサルティング、仲介、運送を含むサービス契約

(例外:1.トルコ共和国と国籍に関する繋がりのない者が当事者である場合、

2.輸出、通貨貿易、輸出と見なされる販売及び受渡しと、外貨獲得を

目的としたサービスと活動の範囲内である場合、

3.トルコ在住者の国外活動の範囲である場合

4.トルコで始まり外国で終了する、国外で始まりトルコで終了する、

又は国外で始まり国外で終了するもの)

においては、契約の価格と当契約により発生するその他の支払い義務を、外貨又は外貨ベースで取り決めてはなりません。

❀下記に関しては、契約の価値と当契約により発生するその他の支払い義務を、外貨又は外貨ベースで取り決めることが出来ます。

・トルコ共和国と国籍に関する繋がりのない、トルコ在住者又は下記9該当者が購入者又は

は賃借者である不動産販売、不動産賃貸契約

・トルコ共和国と国籍に関する繋がりのない、トルコ在住者が当事者の雇用契約

・文化観光省認証の宿泊施設経営を目的とした賃貸に関する不動産賃貸契約

・免税販売店の賃貸に関する不動産賃貸契約

・第4490号トルコ国際船舶登記法及び第491号法令改正法で規定の船舶に関するファイナン     スリース契約

・第32号法第17条及び第17A条の範囲でのファイナンスリース契約

・トルコ在住者間で締結される;

1.材料が外貨で販売されている請負契約

2.動産販売契約(例外:車両販売)

3.動産賃貸契約(例外:車両賃貸)

4.情報技術の範囲で、国外で製造されるソフトウェアに関する販売契約と、国外で製                           造されるハードウェア、ソフトウェアに関するライセンス及びサービス契約

5.公的機関が当事者の外貨又は外貨ベースの入札契約及び国際条約履行の範囲で実施

されるプロジェクトにおいて、請負人又は担当業者及び彼らが締結した当事者が第                          三者と締結した又は上記プロジェクトの範囲で締結する契約

(例外:不動産販売契約及び雇用契約)

6.上記5を保留し、公的機関又はトルコ軍部強化基金会社が当事者の契約

(例外:不動産販売及び不動産賃貸契約

7.第4749号公共財政及び債務管理に関する法の範囲で実施される業務において締                               結される契約

(当業務に関し、銀行が当事者の契約も外貨又は外貨ベースで締結可能)

8.第32号法を保留し、第6362号資本市場法及びこれに基づいてなされる規制の範囲                          で、資本市場商品(外国資本市場商品、保管保証書、外国投資ファンドの持株も                              含む)を外貨建てとすること、発券、売買及び業務に関する債務

9.国外在住者が、トルコにある支店、代理店、事務所、駐在員事務所、直接又は間接的                         %50以上の株を有する、又は経営管理権を有する会社及びフリーゾーンでの活動の                         範囲でフリーゾーンにある会社の雇用主又はサービス受給者の立場で当事者である                           雇用及びサービス契約

10.トルコ在住の旅行者、貨物、郵便物の運送活動を営む商業航空会社、航空輸送機、                           エンジン、これらの備品に関するメンテナンスサービス提供会社、民間航空法規の                           範囲で空港での地上サービスを提供する目的で営業許可証取得している又は権限を                           与えられた公営もしくは私営法人、及び当該法人が設立する会社と直接又は間接的                           に資本の最低50%以上の株所有するトルコ在住者との外貨又は外貨ベースでの                              価格を含む契約(例外:不動産販売、不動産賃貸及び雇用契約)

契約の価格及び当契約により発生するその他の債務を外貨又は外貨ベースで取り決めることが出来ない契約の範囲で作成される有価証券上の価格を、外貨又は外貨ベースで取り決めることは不可能です。但し、第32号決議仮第8条施行前に作成され使用されている当該有価証券に関しては、この限りではございません。

国際市場において、価格を外貨で提示している貴金属と/又は商品価格ベースとし/又は間接的に外貨ベースの契約は、第32号決議第4条第(g)項の範囲で、外貨ベースの契約と見なされま。但し、運送業に関するサービス契約において、燃料価格をインデキシングすることは可能です。

トルコ在住者の、国外にある支店、代理店、事務所、駐在員事務所、運営している基金、直接又は間接的に50%以上の株を有する会社は、第32号決議第4条第(g)項の範囲で、トルコ所在の会社と見なされます。但し、契約を国外で履行する場合は、この限りではございません。

外貨又は外貨ベースでの契約締結の例外とされているものの内、第32号決議仮第8条施行前に締結された契約も、同条の例外です。

第32号決議仮第8条施行前に締結された下記は、同条の例外です。

・車両賃貸及び旅客輸送を目的とした商業輸送販売契約、

・動産及び不動産に関するファイナンスリース契約

契約の価格及び当契約により発生する債務を外貨又は外貨ベースで取り決めることが禁止されている契約上の価格は、第32号決議仮第8条の範囲で、当事者間で、新たにトルコ通貨で取り決めなければなりません。但し、当事者間で合意に達しない場合は、締結された契約上の外貨又は外貨ベースの価格を、2018年1月2日付トルコ共和国中央銀行実効為替売りレートを用いてトルコ通貨額を算出し、2018年1月2日から新たに取り決めた日まで、トルコ統計庁が毎月取り決める消費者物価指数(TÜFE)月間変化率を基に増加させて取り決めます。

第32号決議仮第8条施行前に締結された住居及び屋内事業所賃貸契約において、外貨又は外貨ベースで取り決められている価格は、上記計算方法に従って2年間有効の額をトルコ通貨で取り決めます。但し、トルコ通貨で新たに取り決めた賃貸年の末から1年間有効で、トルコリラで取り決められた賃貸価格に関し、当事者間で合意に達しない場合、取り決める日から取り決められる賃貸年の末まで、トルコ統計庁が毎月取り決める消費者物価指数(TÜFE)月間変化率を基に増加させて取り決めます。その後の賃貸年のトルコ通貨の賃貸料は、当事者間で合意に達しない場合は、前賃貸年に有効であった賃貸額を、トルコ統計庁が毎月取り決める消費者物価指数(TÜFE)月間変化率を基に増加させて取り決めます。ここで取り決められたトルコ通貨の賃貸額は、2年間有効です。

契約の価格及び当契約により発生する債務を外貨又は外貨ベースで取り決めることが禁止されている契約において、未納又は遅延の債権、不動産賃貸契約の範囲で渡された保証金及び契約履行の範囲で使用されている有価証券においては、この限りではございません。